さて、最近の泌尿器科領域の話題は、タダラフィル(ザルティア™)という勃起不全の治療薬が前立腺肥大症に適用拡大がなされたことかと思います。元々排尿時に一酸化窒素(NO)という物質が尿道を弛緩させることが動物実験などの基礎研究では分かっていたものの、客観的にヒトで排尿状態を改善するデータは乏しく、現在でもその薬剤を内服しても他覚的に排尿状態を改善するといった明らかなデータは出ていませんが、自覚症状は明らかに改善するといった不思議な薬剤です。主に骨盤の血流を改善することで排尿症状を改善しているのではないかと考えられています。
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