主な症状について

泌尿器科によくある症状

おしっこが近い(頻尿)

1日排尿回数が8回以上あれば頻尿と定義されています。頻尿の原因として、尿量の増加(糖尿病などによる飲水過多)や膀胱の刺激増加(膀胱炎、過活動膀胱など)や下部尿路の通過障害(前立腺肥大症など)が考えられます。

夜間トイレに何度も起きる(夜間頻尿)

夜間に排尿のため1回以上起きなければならないという訴えであり、そのことにより困っている状態を夜間頻尿と定義されています。実際には、夜間2回以上になると生活の質が低下し、治療の対象となることが多いとされています。

日本での調査によれば40歳以上で夜間トイレに1回以上起きる人は約70%で3回以上が13%と報告されています。実際に夜間2回以上トイレに行く人で、中等度以上に生活の質が障害されている人の割合は、女性で約40%、男性で25%と報告されています。夜間頻尿の原因は様々であり、
多尿、夜間多尿に伴う場合
前立腺肥大症や過活動膀胱に伴う膀胱蓄尿障害が原因の場合
睡眠障害に伴う場合
など、夜間頻尿の病態は多彩であり、原因に応じた治療が必要です。

トイレに行こうとするとおしっこが漏れる(切迫性尿失禁)

通常は尿意を感じても排尿を我慢することができますが、突然強い尿意を感じ、トイレに駆け込まないといけない症状を過活動膀胱と言います。場合によっては、トイレに着く前に尿が漏れることもあります。原因は加齢などにより膀胱が過敏となることが考えられています。男性では前立腺肥大症が原因となることもありますが、前立腺のない女性にも多いことから膀胱自体に問題がある場合も少なくありません。基本的には内服治療を行い症状の改善をはかります。

咳やくしゃみをするとおしっこが漏れる(腹圧性尿失禁)

トイレまで間に合わない切迫性尿失禁と咳や笑った時に漏れるのは腹圧性尿失禁と言い、主に中高年の女性にみられ、出産や加齢により膀胱や尿道を支えている靭帯や骨盤底筋が弱ったりするためにおこります。軽症の場合は、骨盤底筋を鍛える体操で改善する場合もありますが、効果がない場合は尿道の下にテープを挿入する比較的簡単な手術で治療を行います。

おしっこが出にくい

中高年男性では、前立腺肥大症による尿道の圧迫が原因となることが多いと考えられますが、腰部脊柱管狭窄症や加齢により膀胱の収縮力が低下して排尿困難を来すこともあります。

残尿感がある

排尿痛を合併する場合は膀胱炎を疑いますが、排尿痛のない中高年男性は前立腺肥大症をはじめとした下部尿路の通過障害の可能性があります。若い男性では、慢性前立腺炎も疑われます。

膀胱炎症状が続いている

膀胱炎と似た症状で病院に行っても、抗生物質で症状が改善しない。またおしっこは問題ありませんと言われ、長期間に渡り症状が持続し病院を転々と受診される患者さんがあります。多くの場合、このような症状の患者さんは間質性膀胱炎(疾患の欄を参照)を疑う必要があります。膀胱の上皮が損傷し、おしっこがたまった時に痛みを感じるのが典型的な症状です。排尿後は少し楽になります。膀胱炎症状が持続する場合は是非ご相談ください。

おしっこに血が混ざる

血尿がでる原因として、膀胱がん、尿路結石、腎出血、出血性膀胱炎などが考えられます。特に、症状もなく突然現れる無症候性血尿は膀胱がんの可能性があり、慎重な検査が必要です。超音波検査、尿細胞診、レントゲン検査、必要に応じて膀胱鏡検査を行います。

健診で尿の異常を指摘された

顕微鏡的血尿の頻度は年齢とともに増加し男性に比べ女性に多くみられます。日本の人口から試算するとその数は500万人近くになると推測されています。血尿は腎・尿路のすべての部位から生じる可能性があるます。顕微鏡的血尿の患者で腎・尿路疾患を呈するものは2.3 % さらに尿路悪性腫瘍の割合は0.5% 程度であると報告されています。主な疾患として糸球体疾患、尿路上皮癌、腎癌、前立腺癌、尿路結石症、膀胱炎、前立腺肥大症、腎動静脈奇形、腎嚢胞などがあげられます。

精液に血が混ざった

血精液症と言い、多くは精液の通り道にある、前立腺か精嚢からの出血です。中高年の男性では稀に前立腺癌がみつかることがありますが、多くの場合経過観察で自然に治癒します。

排尿時に痛みがある

女性が場合は、膀胱炎が最も疑われます。蓄尿時に膀胱痛があり、排尿後に症状が軽減すれば間質性膀胱炎といった特殊な疾患も考慮する必要があります。男性の場合は、前立腺炎、尿道炎が疑われます。

尿道に痛み、違和感がある

膿が出ていない場合は前立腺炎、尿道から排膿があれば尿道炎が疑われます。

背中に突然激痛を来し尿管結石と言われた

尿路結石は30〜60代の男性に多く、上部尿路(腎杯・腎盂・尿管)にできるものと、下部尿路(膀胱・尿道)にできるものに分けられます。近年の調査では、約95%が上部尿路結石です。 約90%以上はカルシウムを含むカルシウム結石で、X線検査で白い影として写ります。代表的な結石は、シュウ酸カルシウムで、リン酸カルシウム、またはその複合結石が大多数を占め、そのほか尿酸結石などがあります。 結石は5mm以下は自然排石の可能性が高く、全体では尿路結石の約60%は自然排石するといわれています。

睾丸が腫れた

痛みがない場合は陰嚢水腫と精巣癌の鑑別が必要です。痛みがある場合は、急性精巣上体炎の可能性が考えられます。

PSAが高いと言われた

PSAは、前立腺癌の腫瘍マーカーとして用いられていますが、前立腺癌のみで上昇する訳ではありません。一般的にPSA 4-10ng/mlで25-40%に前立腺癌を認め、10ng/ml 以上では60%に前立腺癌を認めると言われています。

男性更年期ではと言われた

男性ホルモン低下による 抑うつ気分、意欲の低下、性欲減退など様々な症状を呈する状態です。前立腺がんの除外診断をおこなった後に、男性ホルモン補充療法を行なうこともあります。

精子が少ないと言われた

通常の性行為を行っているにもかかわらず12ヶ月以上妊娠が成立しない場合、不妊症と定義されます。男性側の必要な検査としては、精液検査、男性ホルモンなどの採血のほか、診察として、精巣容量の測定、精索静脈瘤がないかどうか、超音波検査などを行います。循環改善剤のカリクレインやビタミンB12、ビタミンEあるいは漢方薬など投与されます。精巣の静脈がこぶのようにふくれる精索静脈瘤が見つかった場合には、手術を行います。婦人科の補助生殖技術の進歩が目覚ましいので、極端にいえば、精子が見つかりさえすれば妊娠の可能性があるといえます。

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